ディスクゴルフの基礎知識
◆◆ディスクゴルフの基礎知識◆◆
Disc Golf lesson on web
《ディスク編》
●オーバーステイブルとアンダーステイブル "Overstable&Understable"
オーバーステイブルなディスクとはディスクの角度を身体から遠い方を上に上げて(オーバーに)投げることによってステイブル(安定する)に飛んでいくディスクのことを指します。アンダーはその反対です。
例えば"EXP-1"のようにオーバーなディスクはアンハイザー(身体から遠い方を上げる)に投げ出せば徐々にフラットになり飛びますが,はじめからフラットに投げるとディスクはすぐに左にカーブします。また,左後ろの風の時にアンハイザーで投げればディスクは風を裏に受けて距離が伸びます。
反対に"バルキリー"のようにアンダーな特性のディスクなディスクは右後ろの風を受けるようにハイザー(身体から遠い方を 下げる)に投げ出すと距離が伸びます。
海中のコースは風が吹いているので風を上手に利用することがコースを攻略する大切なポイントでもあります。
右からの風なのにアンハイザーで投げ出すことは逆効果です。またハイザーで投げ出すときには風で運ばれることを計算して目標よりも右に投げ出します。
ディスクによって風の影響を受けやすいものとそうでないものがあります。また傷ついたり変形したディスクはディスクの性能が落ちアンダーな特性に変化していきます。
●投げ出しのスピード
どのディスクも投げ出しスピードが速ければ速いほど右にターンしようとします。スピードが遅ければ特性も逆になりますのでアンダーな特性のディスクでも左にカーブしていきます。
向かい風の時は ディスクに対する空気抵抗が増すので速いスピードで投げ出した時と同じ状況となり右にターンします。向かい風のコースではハイザーの角度を大きくするかオーバーなディスクを使って風に負けないように投げます。
初心者や女性の場合は投げだしスピードが遅いのでほとんどのディスクが左にカーブします。一般的にアンダーなディスクもしくは軽いディスクを選択することをお勧めます。
●投げ上げ角度
フラットスローにおいて投げ上げ角度を大きくすると失速して左に落ちていきます。アンダーなディスクは右にターンしようとしますがある角度から左に落ちます。
ディスクの角度,投げ上げ角度,スピード,風の強さを計算して投げ出さないといけないのでコントロールが難しいです。
同じ投げ上げスローでも,フラットに角度をつけて投げ上げたディスクとヘッドアップして投げられたディスクでは軌跡が違ってきます。ヘッドアップにならないように練習することが大切です。
《ティースロー編》
●投げ出す方向と助走の方向
ティーラインからゴールまでの方向を12時の方向として説明をします。時計をイメージして考えてください。
ティーラインに立つと誰でも自然に6時の方向から12時の方向に助走してティースローをします。しかしながらそれはストレートスローでゴールまでまっすぐにディスクが飛ぶときだけです。
例えば海中1番ホール(A)でストレートに狙うにしても6時から12時に助走してはいけません。1番の場合投げおろしですのでディスクは最後左にカーブしていくはずです。さらにゴールの左前には丸い木があるのでそれに入らないようにゴールの右側に落とすべきです。だから6時20分くらいから12時20分の方向に助走を取ってその方 向に投げ出します。(無風での話です。実際には左からの風が影響します。)そうすればゴールの左側に落ちることは少ないです。スローミスのほとんどはゴールより左に行っているはずです。1番は右の木に当たるのは狙いとしては間違っていません。左に行く方がよくないです。
6時から12時に助走するのはアンハイザーをかけているか,アンダーなディスクを投げるときだけです。1番で左にディスクが行っているのは助走の方向によるものが大きいです。
たった20分のことですがこれを意識するかどうかがレベルの違いとなります。上級者はこの何分かにすごくこだわっているはずです。
ゴールまで届かない人もセカンドスローのことを考えてゴールよりも右の方向にディスクが止まるようにスローをすべき� ��す。
投げる方向を決めたらそこからティーまでを結んでその延長線上に立ちましょう。ハンデが少ないプレイヤーとラウンドするときには助走の方向も見て下さい。ティーラインの幅(120cm)よりも外から助走して投げていることがあるはずです。
◆補足◆
投げる方向や風の方向を時間で表すとき自分は時計の中心にいます。また短針の方向で示しています。
「10番は8時から風吹いてるからEXP-1をアンハイで11時に投げて風に乗せて距離を稼ぎたいね。12番は3時から吹いてるからイーグルをハイザーで1時半に投げでゴールより右側に落としたいね!」と言う風に使います。
●リズミカルな助走
スムーズな助走がディスクに力を与えてくれます。助走もプレイヤーによって差がありますが,大切なことはテイクバックから投げ出しまでの重心移動をスムーズに行うということです。
初心者の中には助走しない方が安定しているから助走をせずに投げたりしますが,レベルを上げたいのであれば助走の練習をすべきです。
基本は「1・2〜・3」のリズムです。投げ出す方向にまっすぐに向いて「1」で右足を前に出します。その時足先の方向は投げ出す方向に対して垂直になっています。(身体が左を向く)
次に「2〜」でテイクバックを大きく取りながら左足が右足の後ろを通って前に出ます。その時体重はまだ右� ��に乗っていて右腕をまっすぐ伸ばしてテイクバックします。テイクバックを大きく取っている人は「2〜」の「〜」がはっきりしています。
最後に「3」で右足が前に出てそれに少し遅れながら右腕がディスクを巻き込みながら投げます。この"少し遅れる"というのがポイントで腰が先に回ることによって身体がバネになりディスクに勢いがつきます。
このリズムかつかめない人は「2〜・3」のリズムで練習して下さい。その時には左足は動かずに右足だけが前に振り子のように出ますが,テイクバックと重心移動を意識して投げることです。この投げ方は必ずマスターしましょう。基本中の基本です!
●ストレート・ハイザー・アンハイザー
ディスクの身体から遠い方を下げて右の方向に投げ出すことを「ハ� ��ザー」その反対を「アンハイザー」と言います。
このディスクの角度を変えるのは手首ではなく身体の傾きです。ディスクと腕の関係はどのスローでも同じです。ストレートの投げ方で手首の角度を変えてアンハイザーにするのはよくありません。
「ハイザー」は身体を前かがみにしてディスクを右上の方向に投げ出します。前かがみの角度を変えることによってストレートに近いハイザーにするか,大きなハイザーにするかを変えます。
私は海中の14番や15番ホール(A)で右前の大きな木を越えるときにハイザーを使いますがその時のテイクバックはかなり地面に近づいているはずです。
「アンハイザー」は逆に身体を反って胸を張って投げます。大きなアンハイザーをするときはおへそを上に向けるイメージをし� ��下さい。
身体の角度を変えることによってディスクの角度を変えるということが安定していろいろなスローをするための大切なポイントです。
これは2〜30m離れてのキャッチ&スローで練習して身体に覚えさせましょう。
《アプローチ編》
●アプローチなのか?ゴールなのか?
距離やゴール周辺の状況で寄せるのか?狙うのか?の判断をしないといけません。これは全てのコースで全てのプレイヤーが迫られる判断です。大切なことはどちらかに決めるということです。中途半端に狙ってパッティングエリア内に入らずにスコアを崩すということがあると非常にショックです。
「寄せるならきちんと寄せる」「狙うならはずしたときのことも考えて狙う」このどちらかですね。
「はずすことは考えずに狙う」
これはスコアが崩れて思考回路が切れている状態ですのでこのような状態に陥らないように落ち着いてラウンドしましょう。誰にでもトラブルはあります。調子が悪いときこそ慎重に確実に!
●「寄せるならきちんと寄せる」
アプローチはスローから静止まで,マーカーからゴールを結んだ線の右側のエリアに常にディスクがあることが大切です。
右から飛んできたディスクは右のエリアにあるうちはゴールに近づきますが,一端左のエリアに行ってしまえばゴールから離れるばかりです。だから狙う方向もゴールではなくてゴールの右側にすべきです。私はゴールを右に倒した時のホールナンバーあたりを狙っています。
では狙い方ですが,一番安全なのはややハイザーで1時くらいの方向から攻める方法でしょう。気をつけなければならないのはしっかりと右側に出すことと右からの風が強いときに左に持って行� ��れないようにすることです。
ストレートでゴールの根元を狙う方法もありますが,短くなったり大きく越えることもあるのでお勧めできません。
●「狙うならはずしたときのことも考えて狙う」
はずしてもゴールから大きく離れない投げ方もあります。私がよくやるのがアンハイで高い位置から狙う方法(この場合左のエリアをディスクが飛びます)とヘッドアップ気味にゴールの右上を狙い,失速して左に落ちながらゴールに向かっていく方法です。この投げ方でゴールを狙うためには練習を必要とします。ストレートに狙い,はずれて5m以上離れるスローはアプローチとは言えません。
●練習方法
ゴールから20m(15m)のところへマーカーを置き,そこから5mおきにマーカーをおきます。一番近いマ� �カーから4投(5投)アプローチし,それぞれの場所からパットをします。全部入ったら次の位置に行きます。
《パット編》
●「アップライト」と「ストラドル」
パットは人それぞれですがスタイルを大きく分けると「アップライト」と「ストラドル」に分けることができます。「アップライト」は右足を前に出して両足を縦方向に広げて投げるもので,「ストラドル」は両足を横に開いて投げるものです。
多くのプレイヤーが「アップライト」でパットしていますが,木などの障害物を避ける時や前後に足を広げるスペースがない時に「ストラドル」でパットしないといけないのでどちらの投げ方もマスターする必要があります。
ちなみに,左利きで左足を前にする場合は「アップレフト」と言います。
●「ストレート」と「山なり」
ゴールに対してどのような軌跡で狙う方法ですが,おへそからゴールまでストレートに狙う人と山なりに投げる人がいますが,多くのプレイヤーは山なりに投げています。どちらがいいとは言えませんが,入る確率が同じ場合のとき,ゴールをはずしたときのことを考えると山なりに投げる方がゴールの近くに落ちるのでスコアはストレートよりもよくなるでしょう。しかし山なりパットは風に弱いので向かい風の時などはストレートパットを必要とされる時もあります。パット練習では追い風や向かい風での練習が必要です。
●ディスクの傾き
ディスクを自然に持つと少し左が下がった状態になるはずです。それを手首で水平にしたり,左を上げたりして持ったりします。左が下がった状態で投げれば少し左にカーブしながら飛んでいきますので,少し左を上げて左に落ちないように投げる人もいます。左が下がった状態でもカーブすることを計算して狙えばいいので,どの傾きがいいとは一概に言えません。安定して投げられる傾きで投げるのが一番いい投げ方ということになります。大切なことは練習も競技中も同じ角度で投げるということです。
●「投げる」のか「放る」のか
ディスクの左が下がった状態でも,投げるのではなく山なりになるように腕の振りを下から上に放り上げると左にカーブすることなくゴールに向かって(落下して)いきます。この「投げる」ということと「放る」ということの違いを理解することがとても大切です。
「投げる」というのはスナップを使って押し出し,投げたあと指がゴールを指していますが,「放る」というのは腕の振りで投げ上げるので腕が上がります。
私のパットは基本的には山なりの「放る」パットですが,近いパットと時にストレートに狙ったり,ロングパットの時に左カーブの「投げる」パットをすることもあります。
どちらのパットもひざの曲げ伸ばしがとても大切です。
●ゴールに集中する
パットには集中力が要求されます。ではどこに集中すべきなのでしょう。私の場合「鎖」に集中します。特に短いパットでストレートに狙うときにはゴールの中心のやや右側の鎖に集中して「この鎖に絶対に当てる」という気持ちで投げます。山なりパットの時には,素振りで離す瞬間のイメージを身体に覚えさせストレートに狙うときよりも高い位置を目標にして投げます。ゴールから離れれば離れるほど高い位置を目標にします。
ゴール全体を見るのではなく,必ずポールの傷や鎖などのポイントを決めて集中して狙うことが大切です。
●メンタルコントロール
パットほどメンタルなものはありません。パットをしているときの姿を見ると,入るか入らないかがその姿でなんとなくわかります。「入らなかったら・・・・」というマイナスイメージでは入らないことが多いので「絶対に入れてやる」と思って集中することがとても大切です。
また,呼吸も大切です。呼吸が乱れると身体のリズムが狂うので深呼吸をして練習で入っているときと同じ呼吸,同じリズムで投げます。大会などで投げ出しが低くバスケットに当たるのは,緊張して呼吸が乱れパットのリズムが狂い最後まで腕が伸びていないためです。自信を持って投げましょう!しかし,自信を持つにはそれなりの練習が必要です。
●練習方法
アプローチの練習方法と似ていますが,ゴールの周りにゴールから4歩5歩〜9歩〜とマーカーを置いておきます。(レベルに合わせてはじめの歩数と次のマーカーの間隔を変更します)パット用ディスクを3,4枚持ち一番近いところからアップライトでパットをします。全部入ったらストラドルで行い,全部入ったら次のマーカーに移動します。数人でゲームのようにして行えば楽しくできます。人数が多いときにはディスクの枚数を減らします。
ラウンドの前には近いところの練習をしっかりしましょう。私は3,5,7,9歩の練習をしています。
《ルール&マナー編》
※マンスリーやうみなかカップのラウンド中に気になったことです。
●ラウンド前
・自分のディスクには必ず名前を書いておかなければいけません。新しいディスクを買ったときには忘れないようにしましょう。
・スタート2分前に「プー・プー・プー」と3回ホーンがなります。それがなったらディスクを投げてはいけません。投げると1打としてスコアに加算されます。
●ラウンド中
・木に引っかかったディスクを取るためや,バッグに向かってディスクを投げても1打となります。
・OBに入ったときにはOBラインから1m以内にマークをしますが,無意識にマークしていることがあります。OBラインギリギリに置いても,1m離してもかまいません。次のスローのことをよく考えてマークしましょう。
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